徳島県古武道協会とは

NPO法人徳島県古武道協会理事長
柳生神影流十三代正統
久武館道場当主(第五代館長)
戸 村 博 史

NPO法人徳島県古武道協会のホームページへようこそ。理事長の戸村博史と申します。当協会の設立背景や活動方針などを簡単に説明させていただきます。






◆設立について

江戸時代の日本は武家社会と長期の平和を背景に武術が栄え、幕末までに数百から千を越える流儀が誕生したとされ世界でも稀に見る武術大国でした。

しかし明治維新以降、武道の発展に反比例するように、多くの流儀は激動の時代の中で途絶えていきました。

そして往時の姿のままに現在まで伝統を継承できた流儀は、残念ながらそう多くはありません。

その僅かな中にも、組織的な運営や表立った広報活動等がうまくいかなかったため、次代を担う門人が確保できず後世へ伝承できず消滅した流派がいくつもあります。

戦後はスポーツ剣道が普及し、さらに継承が深刻になり徳島に伝承されている古武術の保存や後世への伝承などが急務となりました。

そこで徳島県内外の古武術関係者が協力して、徳島に伝承された古武術の普及や保全に力を注ぎ、他流派との交流、演武会の開催、一般市民の皆様への広報活動等に積極的に取り組むことを目的として協会の設立に至りました。

◆現在の主な活動

関ヶ原の合戦前に徳島に伝えられた柳生新陰流である「阿州柳生神影流兵法剣術」の指南を毎週水土の午後7時半~9時まで事務所のある久武館道場で行い、幼稚園、小学校、中学校、高校、一般と幅広く男女問わず学んでいます。

また徳島県内外の伝承流派の交流や継承の披露を目的として有名神社で古武道演武大会を開催し、現在では徳島県外では世界遺産である山城国一之宮 賀茂御祖神社(下鴨神社)、日本遺産である淡路国一之宮 伊弉諾神宮、日本武尊を祀り武道信仰の厚い和泉国一之宮 大鳥大社や香川県白鳥神社で行い、徳島県内では阿波国一之宮 大麻比古神社や古より武道信仰の本山であった四国霊峰剣山やそれに関連する美馬市川上神社や徳島市の蔵本八坂神社など2府3県で活動しています。

また最近では、護身術などの古武道独自の動きが見直され地元小学校の体験学習や学習塾の夏休み体験プログラムなどに組み込まれさらに活動範囲が広がっています。

◆これからのビジョン

 戦後は、スポーツ競技試合を重視した現代武道(剣道、柔道)に集約され、人口の少ない徳島では古武術の保存や伝承は、継承者個人が後継者を見つけ継承していくスタイルでした。

それ故、全国的に見ても希少で価値があるものであっても社会的に認知や評価もされず、行政の保護対象にもなりませんでした。

徳島藩御流儀であった剣術流派である貫心流ですら徳島では失伝しています。

それぐらい古流武術の価値を認める人はほとんどいませんでした。

設立当初は、協会は作ったものの本当に運営できるのかと不安もありましたが、歴史背景を理解して下さる神社からの古武道大会開催依頼の申し出や古い文献などを寄贈して下さる方もおられ、若年層の会員も増え順調に活動させて頂いております。

それは私たちの指南している「阿州柳生神影流兵法剣術」は全国で唯一柳生宗矩公、十兵衛公の流れをくむ徳川将軍家御流儀の柳生新陰流(江戸柳生)であること。現在、徳島県のみならず四国に伝承された剣術流派のうち活動が確認できる唯一の剣術流派となっていること。

また2020年の東京オリンピックから正式種目になる空手四大流派の和道流空手は私たちの指南している阿州柳生神影流兵法剣術の動きが取り入れられ完成し、全国に普及していることなどがあげられます。

今後の活動は、徳島に伝承されている古武術の保存や後世への伝承だけではなく、全国で徳島にしかない古武術の価値やその重要性を広め、古武道を通して郷土徳島の伝統文化の普及や発展に寄与していきたいと考えています。

徳島県古武道協会は、徳島県に伝承された古武術の保存振興及びそれに伴う資料等の保管収集に関する事業を行うことにより、社会教育の推進、文化の振興及び子どもの健全育成に寄与することを目的として、徳島県内外の古武道関係者や古武道団体の協力を得て設立総会を開き、平成29年5月に徳島県知事からNPO団体として認証されました。

柳生宗矩公・十兵衛公直門である木村郷右衛門尉義邦によって、関ヶ原合戦前に阿波(徳島)に伝えられた柳生新陰流である「阿州柳生神影流兵法剣術」の指南、古より武道信仰の本山であった徳島県民のシンボルである劔山をはじめ、日本武尊を祀り武道信仰の厚い香川県の白鳥神社、世界遺産である京都下鴨神社等で演武大会を開催し、徳島に伝承された伝統武術を守り、後世に伝えるための活動を積極的に行うことで、郷土徳島を盛り上げる活動を行っております。

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